ベッドに横たわった祖父の最期の一言、家族の誰も聞き取れなかったという。「でも、きっと何か言ってたはず」音声も無い。文字も無い。けれど“聞いた気がする”。そういう依頼だった。藤本が「翻訳ではない、これは“創作”に近い」と言いながら、それでも紙に書き始めていた。ペンギンが「創作は嘘か。記憶は本当か」とだけ浮かべ、消した。 カテゴリー: 主任日誌