朝から雨。
エレベーターの中で、またペンギンのホログラムが瞬いた。
電波状態の問題ではない。あれは、たぶん気分だ。
午前中は相談メールを三件処理。
二件は「勝てますか」という質問で、一件は「負けたらどうなりますか」だった。
質問の質で、その人がどこに立っているかはだいたいわかる。
藤本は昼まで戻らず。
机の上に残された香りだけが仕事をしていた。
本人がいない方が、部屋は正確だ。
午後、VOID側のログを確認。
また一つ、記録が自分から消えていた。
誰が消したかは重要じゃない。
“消せた”という事実の方が問題だ。
あれは同意ではない。
疑問だ。
ペンギンが小さく首を傾げた。
🐧YES,but…自己同一性の回収は未確認。
今日も、法律は役に立たなかった。
だから私は、弁護をした。