日本人の配偶者等の更新申請。

書類に不備はない。住民票も同居、生活状況も一応確認できた。
ただ、依頼者の指先がわずかに震えていた。

「結婚生活はうまくいってますか?」と尋ねると、
藤本が代わりに答えた。

「──この人、自分のことを“妻”と呼ばれたくないんだよ」

依頼者は黙っていた。
結局、更新申請は出されたが、夫は同席しなかった。

🐧Yes, but…
その夜、届いた補足資料の封筒には「家族写真」が入っていた。
だが、依頼者の顔だけが“ぼかされて”いた。

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