申請理由書には、こうあった。
「帰国予定でしたが、夢に“日本での用事を思い出せ”と言われたため、延長したい」

本来、短期滞在の延長は原則不可。
しかもこの理由は、制度上は論外だ。

香坂としては、当然「却下されます」と説明しようとした──
が、その場にいた藤本が口を挟んだ。

「──夢って、“記憶”が干渉してる場合あるよ。
 この人、自分で気づいてないだけで何か忘れてる。」

……結局、申請は見送られた。
代わりにその人は、ある日本人の戸籍を探し始めた。

🐧Yes, but…
後日、来所時の荷物から“古い日本製のアルバム”が出てきた。
依頼者は「これ、知らない人たちです」と言った。

カテゴリー: 主任日誌