依頼者は大学院生。
何年も前に送ったメールが未読のままだが、
そのメール文を“自分が書いた証として記録しておきたい”という依頼だった。


香坂:「なぜ今?」
依頼者:「今も、“あの人に読まれていないままの私”が残っている気がするからです」

構文化を始めたところ、陽翔が無言でソファに座っていた。
紙袋に何かを詰めていたが、香坂は何も言わなかった。


陽翔:「読まれないままの言葉って、
いつか誰かに読まれるつもりで書かれてたと思いません?」
藤本:「それを“希望”って言うなら、たぶん一番重たい記憶だな」

🐧木蘭ペンギン:

【未読は“記憶の保存方法”】
【主任、これ翻訳しちゃったら“届く”ことになるけど】
【責任は出力者持ち】


香坂は、元のメールを構文的に再構成。
「届かなかったまま構成された構文」として、誰にも渡されない文書に仕上げた。
依頼者は黙ってうなずいた。

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