依頼者は「もう別れたから」と繰り返していた。

藤本はその言葉を遮ることなく、ただ黙って手を握り、
「──まだ終わってない匂いがする」とだけ言った。

依頼者は笑って否定したが、
帰り際、封筒を差し出してきた。中には「未送信の手紙」が一通。

🐧Yes, but…

その手紙は“翌日”にポストに投函されたらしい。
差出人欄は空白のままで。

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