これは“翻訳”できますか?
午後3時22分、依頼物確認。
封筒に入っていたのは、一枚の薄紙。
文字はなかった。
鉛筆で描かれた記号、線、波形。
依頼内容:「この手紙の“意味”を訳してほしい」
「これは何語ですか?」と訊いたら、
「言葉ではないと思います」と返された。
しばらく紙を見ていた木蘭ペンギンが、
ホログラムを表示:
「構文識別不可能。だが“感情の痕跡”あり。」
翻訳不能と判断し、原文に一文だけ添える。
“この手紙には“意味”はありませんが、
何かを伝えたいという“意図”は、確かに存在します。”
📎備考:
“言葉にならなかった想いの多くは、
誰かが言葉にしてくれるのを、ただ待っている。”