この手紙に嘘はありますか?

投稿者: 香坂湊 投稿日:

午前11時。

古びた茶封筒に入った、手紙の代筆依頼。

宛先は、かつての友人。

文面は、今さら伝えたい“謝罪と感謝”。

「これ、上手く書き直してもらえますか?」

彼は何度も言葉を変えてきたようだった。

消し跡が、文面の半分を占めていた。

香坂がやったのは、“言い換え”じゃない。

その人の言葉が、ちゃんと届くように調律しただけ。

📎備考:

“嘘を含んでいてもいい。でも、

 誰かに届くことを願って書かれたなら、それは“本物”の文書だ。”

カテゴリー: 主任日誌